Sep 13, 2009

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 福島第1原発事故の評価が史上最悪のチェルノブイリ原発事故に並ぶ「レベル7」に引き上げられたことに対して、市場では「日本に対する海外からの評価が厳しくなることは必至で、景気の下押し要因になる」との見方が強い。景気低迷の長期化につながる可能性もあり、日本経済への打撃は大きい。

 ◇東京円ほぼ全面安

 12日の東京株式市場は、ほぼ全面安の展開になった。一時1ドル=83円台に円高・ドル安が進んだことも重なって日経平均株価は大幅続落、一時下げ幅は200円超に達し、前日比164円44銭安の9555円26銭で取引を終えた。レベル7への引き上げで頼みの輸出や海外からの観光客の減少など経済への影響は避けられず、市場では「景気回復時期が後ずれする」との見方が広がったためだ。

 日経平均株価は、3月11日の東日本大震災で大きく落ち込み、その後やや回復したものの、原発事故への不安が重しとなり、9000円台で一進一退を続けてきた。今回のレベル7への引き上げで、放射性物質の汚染拡大など事故の深刻化が改めて強く意識されたうえ、12日の取引時間中も強い余震が続いたことで、「企業業績の悪化や生産復旧の遅れが懸念され始めた」(大手証券)ため、株価は下落した。

 ◇自動車も風評被害か

 日本経済の先行きについて、市場では「震災の影響で一時的に落ち込むが、生産体制の復旧や復興需要の本格化などで、7〜9月期に回復へ向かう」との見方が大勢だった。しかし、史上最悪の原発事故との評価が世界に伝わることで、「鉄などの素材や部品、自動車にまで風評被害が広がり、訪日観光客も減るなど海外需要が減少する恐れがある」(クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト)。メーカーが製品の安全性を示すために検査などを実施するにしても、コストがかかり、業績にはマイナスに働く。また、輸出や生産の減少が雇用や所得の悪化、消費低迷へと連鎖すれば、経済全体を下押しする圧力は一段と強まる。

 白川氏は「日本経済の回復が当初予想より遅れ、年内に回復しないリスクも高まっている」と指摘する。また、大和証券の高橋和宏投資戦略部長も「株価が年内に震災前を上回る1万1000円に達するのは難しい」とみている。【田所柳子、和田憲二】

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 大手百貨店3グループの12年2月期連結決算の業績予想が12日出そろった。東日本大震災や福島第1原発事故の影響で消費の低迷が予想され、いずれも売上高と本業のもうけを示す営業利益が減収減益に陥る見通し。同時に発表された11年2月期決算は3グループとも増益を確保したが、震災で暗転。夏場には電力使用量の大幅削減も求められており、業界には厳しい環境が続きそうだ。【谷多由】

 「原発事故による不安や復興財源としての増税論議で消費者心理がかなり悪化すると考えられる」。J・フロントリテイリングの奥田務会長は12日の決算発表会見で険しい表情を浮かべた。同社は大丸梅田店(大阪市)の大幅増床効果で12年2月期は当初、増収を見込んでいたが、震災の影響で売上高は当初計画より400億円減少に修正を迫られた。高島屋も「震災前は12年2月期を増収増益と見込んでいたが、関東を中心に消費者心理が冷え込む可能性がある」(鈴木弘治社長)として減収減益に変更した。

 震災前までの景気の持ち直しを背景に、全国百貨店の売上高は昨年10月に32カ月ぶりに前年同月を上回り、今年2月も前年を上回るなど業績底打ちの兆しも見えていた。11年2月期決算は、セブン&アイ・ホールディングス(HD)を含む3グループの売上高で減収幅が10年2月期より縮小し、営業利益は増益に転じた。11年3月期決算の三越伊勢丹HD(決算未発表)も大幅増益を予想している。

 しかし、震災で状況は一変。計画停電による営業時間短縮、原発事故の拡大を懸念した海外ブランドの一時営業休止、消費者の買い控えなどで、百貨店各社の3月の売上高は前年同月比1〜3割減と大きく落ち込んだ。

 また、外国人観光客も震災後に激減。外国人客が多い東京・銀座の松屋は、中国人観光客の売り上げが震災前の3月1〜10日は前年同期比30%増だったが、震災後の同11〜31日は89.8%も減った。

 4月に入り計画停電がほとんど行われなくなったこともあり、各社は短縮していた営業時間を平常に戻しつつある。客足も徐々に戻り始めたことから、「震災の影響は秋ごろには和らぐだろう」(鈴木社長)との期待感もある。しかし、首都圏では夏場は電力使用量の25%削減を求められており、業界では輪番休業も検討している。「通年で営業日数や営業時間の制約を受ける可能性もある」(奥田会長)ため、今後も苦しい経営を強いられそうだ。

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